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飲食店のショート動画集客|作った後に『見られて来店する』までの設計

代表取締役 大谷幸輝
大谷 幸輝株式会社ZEN 代表取締役・
居酒屋での動画撮影のイメージ

飲食店のショート動画集客で差がつくのは、動画のうまさよりも「誰の画面に出るか」と「見た後に予約へ進めるか」です。撮影と編集だけで終わらせず、配信先と予約導線までを一続きで設計してください。手順はチェックリストと表で順に見ていきます。

飲食店がショート動画を始めるべき理由

結論から言うと、ショート動画は「まだ店を知らない人」に見つけてもらえる数少ない手段だからです。グルメサイトは、すでに店を探している人が検索して見る場所です。ショート動画は、探していない人の画面に勝手に出てきます。「今日どこで食べよう」と思う前の人に、店名と料理を見せられます。

もう一つの理由は、動画が料理の説明を短くしてくれることです。写真だと「おいしそう」で止まるものが、動画だと湯気、焼ける音、切った時の断面で「ここに行きたい」に近づきます。メニュー表を読ませるより、数秒見せたほうが伝わる料理は多いはずです。

ただし、始めるだけでは足りません。多くの店が止まるのは、撮って投稿したのに再生数が伸びず、来店にもつながらなかった時です。原因は動画の質だけとは限らず、見せる先が自店のフォロワーだけだったり、見た人が予約へ進む道がなかったりします。

全体の流れは次のとおりです。

段階やることよくある抜け
1. 作る料理・価格・場所・雰囲気を入れた動画を撮る店名や場所が映っていない
2. 見せる自店アカウントと、地域の人が見ている場に出す自店のフォロワーにしか出していない
3. 予約へ進めるプロフィール、地図、予約ページを整える動画を見ても予約先が分からない
4. 振り返るどの動画で問い合わせや来店が動いたか見る見ないまま次を撮る

来店につながる動画の中身(料理・価格・場所・雰囲気)

再生される動画と、来店される動画は、少しだけ違います。再生されるだけなら面白い演出でも足りますが、来店につなげるには「行ける気がする」情報が要ります。見る人が知りたいのは次の4つです。

撮る前に、次のチェックリストで確認してみてください。

撮影前のチェックリスト

よく見る失敗は、盛りだくさんにすることです。メニューを5品も6品も詰め込むと、結局どの料理も記憶に残りません。1本につき1つの料理、または1つの場面が目安です。他の料理は、次の動画で出せば足ります。

スマホで撮ったものでも構いません。画質よりも、料理がおいしそうに見える角度と、光の当たり方のほうが効きます。窓際の自然光で撮る、器を拭く、湯気が出るうちに撮る、といった基本だけで見え方は変わります。

Instagram・TikTok・YouTubeショートの使い分け

ここでは3つの媒体を、飲食店が使う目線で整理します。媒体ごとの向き不向きを軽く押さえます。同じ動画を使い回せるので、最初は3つとも出してしまって構いません。

媒体見る人の傾向飲食店での使いどころ
Instagram(リール)地域の情報や、行きたい店を保存して見返す人が多い店の「保存してもらう」動画。エリア名、価格、地図への導線を入れる
TikTokおすすめ欄で偶然出会う人が多く、普段フォローしていない店でも見てもらえる店を知らない人に広く届ける動画。冒頭の一瞬で引き込む料理を出す
YouTubeショート検索や関連動画から長く見られることがある動画が後から見つけられる置き場。店名や料理名をタイトルに入れる

使い分けのコツは、「同じ動画を3つに出すが、書く文章は変える」ことです。Instagramには保存したくなる情報(エリア、価格、行き方)を、TikTokには冒頭の一言を、YouTubeショートには店名と料理名のタイトルを。動画は同じでも、文章を変えるだけで見つけてもらいやすさが変わります。

TikTokについて、一つ付け加えます。TikTokはフォロワーが少ない店の動画でも、おすすめに載れば見てもらえる仕組みだと言われます。だからこそ、フォロワー数が小さい新店や個人店と相性が良い場面があります。ただし、おすすめに載るかどうかは自店ではコントロールできません。載った時にすぐ予約へ進める導線を、先に整えておいてください。

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動画を誰に見せるか:自店アカウントと地域メディアの違い

動画の話は撮り方や演出に寄りがちですが、売上を動かすのは「誰が見たか」です。

動画の見せ先は、大きく2つに分かれます。

見せ先強み弱み
自店のアカウント店の世界観を自由に出せる。常連や既存客に届く。費用がかからない始めたばかりだとフォロワーが少なく、最初に見る人数が限られる。店を知らない人に届きにくい
地域メディアのアカウントすでに地域の人が「次に行く店を探す目的」で見ている。店を知らない人にも届く自店では運営できない。掲載してもらう手間と、費用がかかることがある

自店のアカウントで動画を出すのは、前提として必要です。予約を考える人が、店名で検索してアカウントを見に来た時に、動画が並んでいると安心するからです。ただ、自店のアカウントだけでは「店を知らない人に最初の一歩を見せる力」が足りません。ここを補うのが、地域の人がすでに見ているアカウントです。

ZENは、徳島で飲食店メディア「徳島グルメ」を運営しています。SNS総フォロワーは100,589人(2026年11月1日時点)で、これまでに紹介した店は487店です。掲載した動画の平均再生は、Instagramで1本あたり約16.6万回(掲載動画243本・2026年10月4日時点)、TikTokで約8.9万回(285本・2026年9月23日時点)です。自店のアカウントを一から育てる時間を待たずに、地域の人が見ている場所へ動画を出せる、というのが「見られる場を持つ側」の強みです。

もちろん、効果は店によって違います。メディアに載せれば必ず来店が増える、とは言えません。動画の中身、価格、立地、季節で結果は変わります。それでも、届く人数の出発点が違うことは、設計の段階で考える価値があります。

予約へ進める導線も、この段階でまとめて確認してください。

予約導線のチェックリスト

見落とされやすいのは、プロフィールのリンクです。動画で「行きたい」と思った人は、まずプロフィールを見ます。そこに予約先がなければ、その場で離れてしまいます。動画を作る前に、一番に直す価値のある場所です。

実例:オープン動画168,810回再生の焼肉ダイニング 泉匠苑

泉匠苑の掲載動画の表紙

焼肉ダイニング 泉匠苑(焼肉・徳島)

2026年9月、飲食店にとって閑散期とされる時期に開店したお店です。ZENが支援し、オープン時の動画は168,810回再生されました。開業月の売上は約750万円でした(これは増加額ではなく、開業月の売上そのものです)。

新しい店は、店名を知る人がまだ少ないのが普通です。泉匠苑はその時期に、オープンの動画が168,810回再生されました。

ただし、開業月の売上約750万円は、動画だけで生まれた金額ではありません。立地、料理、価格、スタッフの対応、その時期の客足など、いろいろな要素が重なった結果です。動画が売上にどれだけ効いたかを切り分けて言うことはできません。

実例から持ち帰れるのは次の3点です。

オープン前後の動き方は、徳島で飲食店を開業する時の集客でも詳しく書いています。

外注する場合の費用の考え方(制作だけか配信まで込みか)

外注を考える時は、金額の大小より先に「何が含まれているか」を見てください。同じ「ショート動画制作」でも、見積もりに入っている範囲は会社によって大きく違います。

項目制作のみの見積もり配信まで込みの見積もり
撮影・編集含む含む
投稿・運用別料金、または自店で行う含むことが多い
見せ先(メディア掲載・広告)含まない含む場合がある
予約導線の整備含まない含む場合がある
毎月の振り返り含まない含む場合がある

制作のみの見積もりは、金額が低く見えやすい反面、できあがった動画を誰に見せるかは自分で考えることになります。出した後の反応が薄い時に、動画が悪いのか、見せる先が悪いのか、切り分けも難しくなります。

外注先に確認する質問を、次にまとめました。見積もりをもらったら、そのまま聞いてみてください。

外注先への確認リスト

ZENの飲食店集客支援は、月額5万円〜(税抜・12か月契約)です。撮影、ショート動画制作、SNS発信、Meta広告の運用、広告配信費、予約導線の整備、毎月の振り返りを含みます。Googleマップの情報管理はオプションです。全国に対応しています(拠点は徳島です)。効果を保証するものではなく、店によって結果は変わります。

ここまで読んで、自店は制作から始めるべきか、見せ方から直すべきか、迷う方もいると思います。その場合は、まず自店の集客の弱いところを知るのが近道です。下の診断は、質問に答えるだけで1分で終わります。

具体的な支援内容や料金の詳細は、飲食店集客支援のページにまとめています。

よくある質問

Q. 飲食店のショート動画は、どのくらいの頻度で出せばいいですか。
A. 頻度より、続けられるかどうかで決めてください。無理に毎日出して途中で止まるより、無理なく続く本数を決めて、同じ型で出し続けるほうが見てもらえる形に育ちます。
Q. 自店のアカウントのフォロワーが少なくても意味はありますか。
A. 意味はあります。ただ、フォロワーが少ないうちは動画が届く先が限られます。自店のアカウントに加えて、すでに地域の人が見ているアカウントやメディアで見てもらう方法を併用すると、動画が最初に届く人数が変わります。
Q. スマホで撮った動画でも集客に使えますか。
A. 使えます。画質よりも、料理のシズル感、価格、場所が一目で分かることのほうが大切です。まずはスマホで撮って反応を見てから、外注するかどうかを決める進め方でも遅くありません。
Q. 制作会社に頼めば来店は増えますか。
A. 動画ができただけでは、来店が増えるとは限りません。見る人に届ける場所と、見た後に予約や来店へ進める導線があって初めて集客になります。頼む前に、制作のみか配信まで含むかを必ず確認してください。

動画は、作ったあとの設計で差がつきます

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代表取締役 大谷幸輝
この記事を書いた人大谷 幸輝(株式会社ZEN 代表取締役)

徳島で飲食店メディア「徳島グルメ」(SNS総フォロワー100,589人)を運営し、これまで487店を紹介してきました。撮影・ショート動画・広告まで、飲食店の集客を現場で支援しています。