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飲食店のインフルエンサー依頼|失敗しない選び方はデータと改善提案

代表取締役 大谷幸輝
大谷 幸輝株式会社ZEN 代表取締役・
和室のテーブルを囲んで、インフルエンサーへの依頼について話す大谷とぴち家さん、やまたびさん

飲食店がインフルエンサーやメディアにPRを頼むなら、フォロワー数より先に「データを持ち、根拠のある提案ができるか」「外れた時に次の改善を出してくれるか」を見てください。店側も、DMで「お願いします」と送るだけでなく、目的と事情を伝えることが必要です。この記事は、名古屋で発信しているぴち家さん・やまたびさんと話した対談から、依頼先の見極め方と店側の伝え方をまとめたものです。

対談動画の表紙居酒屋がたった5万再生で売上180万円アップ。再生数より売上を作る飲食店のSNS集客【ぴち家×やまたび×徳島グルメ】YouTubeで見る(大谷幸輝 / RESTAURANT LAB.)

『DMで頼んで動画を1本』で終わらせない

インフルエンサーへの依頼は、DMで声をかけ、来店してもらい、動画を1本出してもらう。この流れが業界ではすっかり当たり前になっています。対談でも、やまたびさんがこう話していました。

「当たり前になってるんですよ、多分。このDMで適当に依頼していける、このやりとりが」

— やまたびさん(対談より)

この形だと、依頼された側の仕事は「動画を作ること」で止まります。店が本当にほしいのは動画ではなく、空いている平日が埋まることや、看板商品が出ることのはずです。そのずれを埋めないまま頼むと、再生数は出たのに店は変わらない、ということが起きます。

今回の対談相手は、名古屋発のお出かけ系アカウントを運営するぴち家さん(Instagramのフォロワー約42万人・対談時点の本人のお話)と、名古屋のお出かけ先を紹介するやまたびさん(SNS合計で約20万人・対談時点の本人のお話)です。発信する側の2人が、「頼む相手の選び方」と「頼む側の伝え方」について、かなり率直に話してくれました。

依頼先の良し悪しは、動画の出来だけでは見分けられません。次の図のように、作って終わる相手と、任せていい相手は、依頼の前後でやることがまったく違います。

作って終わりの依頼先
  • 言われた通りに作る
  • 再生数を報告して終わり
  • 外れたら理由が分からない・店のせいにする
  • 単発で次がない
任せていい依頼先
  • 課題を聞いてから作る
  • 口コミや実績のデータで売れる商品を指摘する
  • 外れた理由と次の改善を出す
  • 季節に合わせて長く付き合う

インフルエンサーの選び方①データを持っている相手は根拠のある提案ができる

どんな相手を選べばいいか。やまたびさんの答えは短いものでした。

依頼する相手の選び方について答えるやまたびさん
やまたびさん「データを持っている人じゃないですか」

「データを持っている人じゃないですか。そのデータを持ってれば持っているほど回答できるじゃないですか」

— やまたびさん(対談より)

データがない相手は、何が当たるかを事前に言えません。やってみないと分からないので、外れても理由を説明できず、責任を持った提案もできない。やまたびさんはそう続けました。

「データをちゃんと持って、そのデータに基づいて話してくれる会社とかは、いいのかなっていう」

— やまたびさん(対談より)

ここでいうデータは、フォロワー数のことではありません。見ている人の年齢や地域、どんな店の紹介がどれだけ来店につながったか、といった中身です。

対談でも話した通り、徳島グルメの場合、フォロワーの年齢層はあえて35歳前後が一番多くなるように作っています。10代や20代前半を狙えばバズは起きやすいのですが、お金と休みがあり、女子会でも4人で使ってくれる層に届けたほうが、店の売上につながるからです。依頼先に「あなたのフォロワーはどんな人ですか」と聞いて、こうした答えが返ってくるかどうか。それが最初の見極めになります。

依頼前に、次の点を相手に聞いてみてください。

インフルエンサーの選び方②言いなりではなく『売れているのはこっち』と言えるか

店の言う通りに作ってくれる相手は、一見ありがたく見えます。ただ、それで外すことも多いのです。対談では、こんな例を話しました。

「お店はこのAという商品をめっちゃ売りたがってるんですよ」

— 大谷(対談より)

Aは仕入れに苦労してきた、ここでしか食べられない商品。店主の思い入れも強い。ところがGoogleの口コミを見ると、お客様が求めて来ているのは別のBの商品だった、ということがよくあります。

「結局Bの商品めっちゃみんな売れてるみたいな。PRする側とかプロモーションする側としてAをやっちゃうとめっちゃ外す」

— 大谷(対談より)

そこで「売れているのはBです」と、厳しくてもはっきり言えるかどうか。これがPRする側にとってかなり大事な力だと考えています。逆に、何を頼んでも「分かりました、やります」と返す相手には注意が必要です。

「提案がなく指示待ちでやってる人は気をつけた方がいいかもしれないですよね」

— 大谷(対談より)

言いなりで作るのは、結果の責任を店に預けているのと同じです。自分で巻き取って「これはいいと思います」と言える相手かどうかを見てください。

インフルエンサーの選び方③うまくいかなかった時に次の改善を出してくれるか

どんなに準備しても、紹介が外れることはあります。そのとき相手がどう動くかで、依頼先の質ははっきり分かれます。

反響がなかった理由を店のせいにするのは違う、というのが私の考えです。依頼を受けた時点で、その店の条件は承知しているはずだからです。大事なのは、何がずれていたのかを分析して持ってくることです。

「どこにこう改善する場所があったのかっていうのは、分析をした上で持っていくっていうのはすごく重要ですよね」

— 大谷(対談より)

ぴち家さんも、発信する側として正直な気持ちを話してくれました。思ったより伸びなかった時は気まずい。それでも、そこに向き合えるかどうかだと。

「仮に気まずかったとしても、何が改善点なのか、今後何をすべきなのかっていうのを出してもらえたら、確かに嬉しいなと思う」

— ぴち家さん(対談より)

外れた理由が分かれば、「このターゲットではなかった」と店も学べます。次の打ち手を一緒に考えてくれる相手なら、1回目の失敗は無駄になりません。

もう一つ、業界の風潮として気になっていることがあります。数をこなして収益を上げる発信者が多く、1店1店に向き合いきれていないことです。

「何ならそこを減らしてでも、長期的に一緒に仕事をさせていただくみたいな方向性の方がいいかもしれないですよね」

— 大谷(対談より)

依頼する前に、「もし反響がなかったら、どう振り返りますか」と聞いてみてください。答えに詰まる相手より、振り返りの手順を話せる相手を選ぶほうが安心です。

依頼の前に、自店の弱い所を知っておく

何を頼めばいいかは、自店の集客のどこが弱いかで変わります。質問に答えるだけで確かめられます。

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依頼するときに店が伝えること

ここまでは依頼先を見極める話でした。ただ、対談では「店側の頼み方」も同じくらい問題だという話になりました。

やまたびさんによると、店も「PRをお願いします」以上のことを伝えていないことが多いそうです。面倒だったり、どう伝えればいいか分からなかったりするからです。

「適当にこうお願いするんじゃなくて、いろいろ目的とか、整理して、ちゃんと依頼する」

— やまたびさん(対談より)

店が情報を渡せば、インフルエンサーがそこから気づいて、頼まれた以上のことをやってくれるかもしれない。だから諦めずに伝えてほしい、というのがやまたびさんの話でした。

ZENでも、動画を作る前にまず店の課題を聞いています。

お店の課題のヒアリングについて話す大谷
大谷「お店の課題をヒアリングするんですよね。そもそもで」

「お店の課題をヒアリングしていく中で、結構あるのが、客単価が低いとか、週末にお客さんが偏っていて、平日が結構空きがあるとか」

— 大谷(対談より)

課題が分かれば、平日に来てもらうための動画に中身を変え、投稿のタイミングも変えます。その動画に広告をかけることもあります。どれも、店が事情を話してくれて初めてできることです。

依頼するときは、少なくとも次のことを書いて渡してください。

この情報を受け取って何も返してこない相手なら、依頼先を考え直す合図です。

発信は着火剤、燃やし続けるのは店の力

ぴち家さんは、インフルエンサーの役割を火にたとえていました。

身ぶりを交えて、依頼の先にある課題について話すぴち家さん
ぴち家さん「その先にある相手の求めている課題を解決するっていうところまで巻き取れるかどうか」

「インフルエンサーの施策って、継続で発信する以外であれば、着火剤だと思うんですよ」

— ぴち家さん(対談より)

最初の紹介で火をつけるのが第一段階。そのあと火が燃え続けるかは、店の居心地や、値段と味のバランス、「ここなら間違いない」と言える品質にかかっている、という話です。季節に合わせてもう一度発信してもらうのか、広告を続けるのかも、店の目的しだいで変わります。

そのうえで、ぴち家さんは発信する側に求められる姿勢をこう話しました。

「依頼されたことをただ納品するだけじゃなくて、相手が本心でその裏に何を求めてるのかっていうのを理解する」

— ぴち家さん(対談より)

新しいお客様に知ってもらいたいのか、すぐ売上につなげたいのか、中長期で育てたいのか。目的によって打ち手は変わります。そこまで聞いて、季節のイベントも含めて提案してくれる相手なら、店も安心して任せられます。

「依頼されたものをポンと出してくるのか、プラスアルファで何か提案してくる」

— ぴち家さん(対談より)

この違いが、依頼先を選ぶ基準になります。発信者を選ぶ目を店が持てば、発信する側の仕事の質も上がっていくはずです。

依頼先選びに迷ったら、まず自店の弱い所を無料の集客力診断で確かめてください。課題の聞き取りから撮影、発信、広告、毎月の振り返りまでまとめて任せたい場合は、ZENの飲食店集客支援(月額5万円〜・税抜・12か月契約)もあります。効果は保証できず、店によって差があります。

よくある質問

Q. インフルエンサーはフォロワー数で選べばよいですか。
A. フォロワー数だけで決めるのはおすすめしません。見ている人の年齢層や地域が自店の客層と合っているか、過去の紹介でどんな結果が出たかを話せるかのほうが大切です。数字の根拠を示して提案してくれる相手を選んでください。
Q. インフルエンサーへの依頼はDMだけで大丈夫ですか。
A. 連絡の入口がDMでもかまいません。ただ「PRをお願いします」の一言で終わらせず、来てほしいお客様、増やしたい曜日や時間帯、売りたい商品、新規とリピートのどちらを狙うかを書いて伝えてください。情報が多いほど、相手も提案を返しやすくなります。
Q. 紹介してもらったのに反響がなかったら、どうすればいいですか。
A. 何が合わなかったのかを相手と一緒に振り返ってください。届いた層、投稿した時間、見せた商品などを確かめると、次に変える場所が見えてきます。その振り返りに付き合ってくれるかどうかも、依頼先を続けるかの判断材料になります。
Q. 単発の依頼と継続の依頼、どちらがよいですか。
A. 店の目的によります。オープンや新商品の告知なら単発でも役目を果たせます。売上を続けて伸ばしたいなら、季節ごとに打ち手を変えられる継続の付き合いのほうが向いています。効果の出方は店によって違い、どちらでも保証はできません。

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代表取締役 大谷幸輝
この記事を書いた人大谷 幸輝(株式会社ZEN 代表取締役)

徳島で飲食店メディア「徳島グルメ」(SNS総フォロワー100,589人)を運営し、これまで487店を紹介してきました。撮影・ショート動画・広告まで、飲食店の集客を現場で支援しています。